歩み足(あゆみあし)は、剣道だけでなく柔道や薙刀(なぎなた)など他の武道の中でも使われる言葉です。
ここでは歩み足の意味と、なぜ剣道では歩み足がダメになったのかを紹介していきます。
剣道での歩み足(あゆみあし)とは
歩み足とは、普通に歩くように右足・左足を交互に踏み出す足さばきのことです。
剣道では、右足が前・左足が後ろのすり足が基本となっています。
そのため、試合で打突が完璧でも歩み足だと「基本がなっていない」とされて、1本にならないこともあります。
歩み足で剣道をしている動画があったので紹介しておきますね。
これが歩み足です。普通に歩いてますね。
日本剣道形では歩み足なのに、なんで試合ではダメなの?
剣道の初段より上を受験した人は全員「日本剣道形」の練習をしていますね。
そこで行う足さばきは「右・左・右…」と普通に歩み足です。
なぜ日本剣道形では歩み足で、実践の稽古はすり足なのでしょうか?
その理由は江戸時代にありました。
昔は歩み足が主流だった
「足づかいは、ことによりて大小・遅速は在とも、常に歩むがごとし」
(五輪書「水の巻」)
真剣勝負だった頃は、道場のような何もない床板で稽古や斬り合いができませんでした。
生きるか死ぬかの殺し合いなので、足場の悪いぬかるみや砂利のある場所、どんな場所でも足元を安定させる必要があったのです。
そういう理由から「歩み足」が主流でした。
しかし、江戸の中期(1711年頃〜)から現在のように竹刀を持ち、防具をつけ、床板の道場で稽古をするようになりました。
すると、足元に気を配る必要がないので、より早く相手に悟られないように打突するには「送り足」がよいのでは?ということで、足さばきが改良されたのでないかといわれています。
(参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/budo1968/40/3/40_83/_pdf)
現在は歩み足だと1本が決まらない!正しい送り足を意識しよう
昔は主流だった「歩み足(あゆみあし)」ですが、今では右足前・左足が後ろの「送り足(おくりあし)」が基本の足さばきとなっています。
歩み足での剣道は格好悪い・基本がなっていないとされるため、試合では歩み足だと1本が決まらないこともあります。
正しい足さばきで格好いい剣道をしましょう!
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