剣道の切り返し練習方法【剣道用語】

切り返しの練習方法 剣道の稽古と技

剣道の稽古をする中で、切り返しの練習は一番最初に行う練習です。

正面打ちと左右面を組み合わせた動きで、初心者から熟練者まで必ず毎回行う稽古です。

切り返しはなぜ、ここまで重要視されているのでしょうか?

・切り返しの基本動作

・切り返しの効果

・切り返しの種類

この3点を紹介していきます。

剣道の基本の切り返し練習

切り返しは元立ち掛かり手の2人1組で行う練習です。

切り返しの動作の順番はつぎのように行います。

①一足一刀の間合いから正面打ち

②前進しながら左右面を右から前に4本打つ

③後退しながら左右面を右から5本打つ

④さらに後退し、一足一刀の間合いへ戻る

⑤①〜④をもう一度繰り返す

⑥最後に正面打ちを行う

剣道で切り返しの練習をする意味とは

剣道の練習で、最初に切り返しの練習を行うことで、基本を意識して練習を始めることができます。また、練習の最後にも切り返しを行うことで、激しい練習で乱れた基本を意識して取り戻す機会ができます。

練習中にずっと自分の悪いクセ意識し続けるのはかなり難しいことです。はじめとおわりに切り返しを行うことで、基本を意識する機会が得られ、その積み重ねによって基本が徐々に身についていきます。

意識するポイントは、

「竹刀の持ち方は正しいか」

「剣先の高さは正しいか」

「足さばきと打突が一致しているか」

「正面打ち・左右面は正しく打てているか」

「残心がきちんとできているか」

これらを意識して行うと基本が身につき、剣道がどんどん上達します。

切り返し練習には5種類ある

1.竹刀を打たせる切り返し

通常の切り返しは、竹刀を打たせる切り返しです。

元立ちは掛かり手が打ってきた左右面を竹刀で受ける・または打ち落とします。

掛かり手は元立ちの竹刀を打つのではなく左右面をしっかり打突していきます。どうせ竹刀で打ち落とされるからといって、竹刀を打っていってしまうと、竹刀を外された時に空振りします。

それでは練習の意味がありません。

正しい左右面の位置を打突するようにしましょう。

可能であれば、呼吸はできるだけ一息で行うようにすれば「気」の途切れない切り返しができるようになります。

2.左右面を打たせる切り返し

竹刀を打たせる切り返しをしていると、どうしても横から振り回すような切り返しをする人が出てきます。

剣道には横から打つ技などないので、変なクセがついてしまった人、または変なクセがつかないようにと面を打たせる切り返しの練習法があります。

3.お互いに打つ切り返し

お互いに打つ切り返しでは元立ちが受けるだけではなく、元立ちと掛かり手が両方同時に切り返しの練習を行います。

元立ちは後ろに4本下がりながら打ち、次に前に5本出ながら打ちます。

お互いに打ち合うことで、強い打ちを意識した切り返しの練習を行うことができます。

4.胴を打つ切り返し

切り返しの際に、面ではなく胴を打つ切り返しもあります。

胴を打つためには下まで振り下ろす必要があるのでしっかりとした打突が身につきます。

5.大股で行う切り返し

大股で行う切り返しを練習に導入している道場は少ないですが、私の学校では行っていました。

体が沈むほど足を前に大きく出して竹刀を振りかぶり、左足の引きつけと共に左右面を打つ練習です。

身体が上下する足さばきは剣道の基本にはありませんが、この切り返し練習を行うことで下半身が鍛えられ、結果的に踏み込み足のスピードや足さばきの左足を引きつけるスピードが早くなったりしました。

切り返しの練習を真面目に行うだけで強くなれる

切り返しの練習は準備運動や激しい練習のクールダウンのように取られがちですが、実は基本動作が一番多く詰まった稽古法です。

私が通っていた道場では一番大事な練習だと教わり「初めから終わりまで気を抜くな」といわれていました。

切り返しの練習だけをひたすら行っていたこともあります。

そのおかげで私は基本が身につき、全国3位の成績を残すこともできたので切り返しの練習は本当に大切にしてほしい練習法のひとつです。

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